年頭のご挨拶/2024年

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株式会社スリープテクネ / 代表取締役 高橋 幸司

謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。

この度、2024年1月1日に発生した能登半島地震の影響により、被害に遭われた地域の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。一日でも早く平穏が訪れますよう、心よりお祈り申し上げます。

事業概況

2023年前半の日本経済は、2022年後半から続く回復がされたという報道がありました。しかし、あまり実感はありませんでした。2023年後半は物価高や海外経済減速などのマイナス要因から経済の停滞感があります。私たちが頻度高く購入する日用品の値上げにより、買い控えを体感された方もいらっしゃるのではないでしょうか。円安は輸入企業にとっては厳しい状況が続いています。価格だけではない、社会に必要とされる様々な要素を各企業は求められることになります。

世界に目を向けますと、昨年から続くロシア・ウクライナ情勢だけではなく、イスラエル・ガザ情勢も起こり、悲しいニュースを目にしない日はありません。世界の問題は、環境・紛争・格差・医療・人権・災害など多岐に渡り、企業としてだけでなく、世界市民としても常に考えていかなければなりません。私たちはビジネスだけをしていればいいとは考えておりません。ビジネスという仕組みを使いながら、これら世界の問題に対して貢献できるようにする視点と志を持って取り組みます。

睡眠関連事業

4月にはプルデンシャル・グループのソナミラ様との協業が始まりました。「食・運動・睡眠・お金の総合的な健康づくり」を目指すソナミラ様の志に、睡眠分野で貢献できるように取り組みます。睡眠関連事業においての協業は、医療機関、大学、企業と多岐にわたります。重要なことは協業いただける会社・団体様から見たときに、スリープテクネ社およびエムールグループが信頼のおける会社かどうかです。今後もしっかりと研究開発やサービス開発に真摯に取り組みます。そして、協業先企業様との良い相乗効果を生み、対象顧客への貢献ができるように取り組みます。

研究開発

9月には日本睡眠学会日本睡眠環境学会での研究発表を行いました。私たちが開発・販売する寝具や家具は、利用者の心理や身体にどのような影響を及ぼすのかについては長期的な課題です。10月には関連する特許を取得しました。本特許は、寝具の使い心地(寝心地)に関する評価データと寝具の物性データを組み合わせることで、消費者にとって使い心地の良い寝具情報を提示するシステムです。本特許により、実際に寝具を寝試しできない環境のお客様であっても、客観的かつ科学的な情報をもとに自分自身に合った寝具選択を支援することが期待できます。学会発表を通じた研究開発活動と特許こそが、弊社の成長の源泉にあると思います。科学的なデータに基づき丁寧に事実を積み重ねる。科学的かつ論理的な理解をしながら、利用者には伝わりやすい実践をしていく。この繰り返しで真理に近づいていくと考えています。業界に対する危機感もあります。短絡的に情報収集をし、理解したと思いこむことや、根拠が薄いAI風のブラックボックスで全知全能のような提示を利用者に行うことは、提供者側にも利用者側にも様々な危険をはらみます。やはり基本的な学習や、地道な研究、尊敬すべき先人たちの知恵、そして自分たちの経験など複合的に捉えて、商品や情報サービスとして利用者に提供すべきだと考えます。

チェ・ゲバラは「革命家にとって第一の義務は、教育を受けることだ。」と言いました。真実と嘘が混在している世の中だからこそ、変革するためには、科学的に立証された知は救いになると思います。私の体感ですが、科学技術の発展に反比例して人間が短絡的になっていると感じることが増えました。科学技術の進化は経済的、時間的、身体的に効率化することがありますが、だからといって人間が進化しているわけではありません。科学技術の進化で人間の学習や思考を怠けて良いわけではないのです。今後は学習し、本質的なことを志向できる人(会社)とそうでない人(会社)で差が開いていくのではないでしょうか。

社会貢献活動

社会貢献活動では、5月に足立区クライフコートフェスティバルに参加させていただきました。障がい者の方がスポーツや運動に取り組む機会を創出し、長期的な健康促進を目的としたスポーツイベントです。このような機会をいただくことで、視野が広がります。障がい者、高齢者、一般の方、それぞれの特徴があります。その理解を深めていくことで、多様な生活スタイルに対応した商品開発やサービス開発に繋がります。このような社会貢献活動は引き続き進めていきます。このイベントは東京ヴェルディ様とのご縁から参加に至りました。その東京ヴェルディ様が12月2日に行われたJ1昇格プレーオフで勝利し、見事に16年ぶりのJ1昇格を果たしました。エムールグループは、12年間スポンサーを努めさせていただいています。その12年間で、多くの関わりを持ち、多くの人との出会いと別れがありました。これまで多くの人が尽力した一つの大きな成果に立ち会えたこと心から嬉しく思います。東京ヴェルディの選手、監督、コーチ、スタッフ、株主、関係者の皆様、また何よりサポーターの皆様、本当におめでとうございます。

社会に必要とされる企業を目指して

2024年も、引き続き沈黙の地殻変動が続くと思われます。しかし、私たちは、ビジョンに向かい長期的な視点で臨む姿勢は変わりません。2024年は、特に周囲に惑わされずに「本質を捉えた実行力」と「使用者にとっての心理的価値・身体的価値の追求」を行っていきたいと思います。

社会に必要とされる会社にしていくのは難しいことでありますが、最もやりがいがある仕事でもあります。この様な想いを持って今年も挑戦していきます。

本年も変わらぬご愛顧、ご指導ご鞭撻のほど、何卒宜しくお願い致します。

 

2024年1月4日
株式会社エムール
株式会社スリープテクネ
代表取締役
高橋 幸司